令和3年度 住友別子病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 28 102 117 179 433 702 1,306 2,502 1,699 420
令和3年度の退院患者数を、年齢階級別(10歳刻み)に集計したものです。
年齢は、入院時の年齢を基準に集計しています。
1年間の合計は7,488名です。
コロナ禍により、受診動向の変化による影響を受けましたが、昨年度に比べ58名の減少に留まっています。
地域の中核病院として幅広い年代の方に受診していただいており、年代別に見ると70歳代の患者さんが最も多く、続いて80歳代、60歳代となっています。
60歳代以上の患者さんの占める割合は、全体の約80%です。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、愛媛県内の医療体制も厳しい状態が続いています。
当院においても、新型コロナウイルス感染症患者さんの入院受け入れを開始しており、東予地区の医療を支える支援病院として力を注いでいます。
さらに、令和3年10月には緩和ケア病棟を開設し、地域がん診療連携拠点病院としての責務を果たせるように努めています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 410 2.11 2.65 0.00% 67.11
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 97 10.03 9.21 0.00% 77.74
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 96 3.22 3.06 0.00% 70.15 心臓カテーテル検査
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 69 5.57 4.36 0.00% 71.57 心臓カテーテル治療
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 63 12.62 10.39 4.76% 72.06
内科で最も多いのは、小腸大腸の良性疾患である大腸ポリープで、昨年度より46例増加しています。
大腸ポリープとは、大腸の粘膜から発生するイボ状のできもののことで、内視鏡を用いてそれを切除します。
消化器内科では、食道・胃・大腸などの消化管がんに対する早期発見・早期治療の取り組みを、積極的に行っています。
また、内視鏡検査をできるだけ楽に受けていただけるように、胃カメラでは経鼻内視鏡や鎮静剤を用いた検査にも対応しています。
3位、4位を占めるのは循環器疾患で、狭心症などの慢性虚血性心疾患に対し、心臓カテーテルを用いて検査や治療を行います。
循環器疾患は、緊急を要する症例も多くあります。
当院は救急隊とのホットラインの運用も備えており、24時間365日、循環器内科の医師がいつでも対応できる体制を整えています。
DSA棟には、バイプレーン血管造影装置と心血管造影にも対応したIVR CTの2台体制となっており、複数の心臓カテーテル検査・治療を同時に行うことができるため、循環器救急医療に対してより柔軟に対応することが可能となっています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 81 6.00 4.74 0.00% 67.48 鼠径ヘルニア
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 75 7.08 6.25 0.00% 62.81 腹腔鏡下胆嚢摘出術
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし 58 13.48 10.15 3.45% 67.64
060335xx02000x 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 41 7.78 7.11 2.44% 66.83 腹腔鏡下胆嚢摘出術
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 39 4.92 3.94 0.00% 61.13
外科では、多岐にわたる良性・悪性疾患を対象として、手術を柱とした治療を提供しています。
症例数の最も多いのは、鼠径ヘルニアに対し手術を行った症例で、昨年度よりも増加しています。
胆嚢疾患に対しては、患者さんへの負担の少ない腹腔鏡を用いた胆嚢摘出術を行っており、症例数も年々増加しています。
乳房の悪性腫瘍症例も増加しており、手術により部分切除を行った症例が3位、抗がん剤を用いた化学療法症例が5位となりました。
手術後再発を抑えるための化学療法や放射線治療、ホルモン療法は、患者さんの希望を取り入れながら、ガイドラインに沿って行っています。
また、がんの手術・治療においては、放射線科医・内科医との連携が不可欠です。
定期的に合同カンファレンスを開き、PET-CT・3T-MRI・320列CT等の診断機器から得られた検査結果をもとに、総合的な意見に基づいて治療方針を考えています。
当院では、腹腔鏡より精緻な手術が可能となる「ダビンチ」を導入し、外科領域においては、直腸癌の手術に対応しています。
さらに令和3年9月からは、胃癌の手術にもダビンチを使用した手術が行えるようになりました。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 88 54.91 25.32 6.82% 82.11
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 67 34.04 19.34 8.96% 79.91
160760xx97xx0x 前腕の骨折 手術あり 定義副傷病 なし 47 6.13 4.99 0.00% 54.62
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2 なし 33 23.85 20.31 3.03% 68.21
160780xx97xx0x 手関節周辺の骨折・脱臼 手術あり 定義副傷病 なし 26 5.77 4.23 0.00% 43.77
昨年度と同様に、股関節・大腿近位の骨折が一番多い症例となっています。
この骨折は、50歳以下では発生は少なく、60歳以上から徐々に増加し、70歳以降になると急増します。
当院の患者さんの平均年齢も、82.11歳と高齢です。
高齢の方にこの骨折が多い理由は、加齢により骨が弱くなることに加え、身のこなしが鈍くなってしまうことで転倒しやくなることなどがあげられます。
整形外科は、外傷患者さんをはじめとし、関節外科、スポーツ・上肢専門外科、脊椎外科などの専門的な診療を行っています。
骨粗鬆症を背景にした胸椎・腰椎の圧迫骨折も増えており、2位となりました。
さらにその症例数は、昨年度の2倍に増加しています。
コルセットを用いたリハビリテーションが基本となりますが、骨折型に応じて手術治療をお勧めする場合もあります。
平均在院日数が全国平均と比較して長期化しているのは、回復期リハビリテーション病棟でのリハビリを行っているためです。
急性期から早期にリハビリを開始し、自宅退院できるよう包括的にサポートし、患者さんが安心して治療に専念できる体制としています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし 22 2.00 2.94 0.00% 72.95 眼瞼下垂手術
070010xx010xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1 なし 10 3.90 5.49 0.00% 51.80
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし - - 13.07 - -
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし - - 7.68 - -
160200xx0200xx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし - - 5.16 - -
形成外科では、体表面である皮膚や軟部組織の疾患を扱うことが多く、その中でも多い箇所が顔面です。
眼瞼下垂手術の治療が最も多く、患者数も増加しています。
眼瞼下垂とは、文字通り「まぶた」が「下がる」病気で、加齢によりまぶたを持ち上げる筋肉の機能低下が原因です。
2位は、骨軟部の良性腫瘍に対し腫瘍摘出術を行った症例です。
骨軟部腫瘍は、小児から高齢者まで幅広い年齢層に発生するため、患者さんの平均年齢も51.80歳でした。
形成外科は、事故等による顔面損傷の治療や、褥瘡や熱傷による皮膚移植、乳房の再建術など多岐にわたります。
他診療科の医師と同時に手術を行うことで、患者さんの負担を軽減できる体制をとっています。
また、工場が多い地域でもあり、労働災害に関係する緊急患者さんにも多く対応しています。
患者数が10未満の場合には「-」としています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞(脳卒中発症3日目以内、かつ、JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 発症前Rankin Scale 0、1又は2 46 26.37 15.63 2.17% 75.30
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 24 12.58 8.30 0.00% 57.21
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 23 33.43 18.90 13.04% 70.96
010230xx99x00x てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 23 3.26 7.22 0.00% 66.96
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 23 11.17 9.78 0.00% 73.87
脳神経外科では脳卒中、脳腫瘍、頭部外傷などの中枢神経疾患に対する治療を行っています。
脳神経外科全体の患者数が増加しています。
DPC名称にある「JCS」とは、意識障害がある患者さんの意識レベルを評価するものです。
最も多かった症例は、発症から3日以内、かつJCS10未満(比較的意識障害が軽度)の脳梗塞患者さんに対して、脳の障害を防ぐ薬を用いた治療を行った症例です。
エダラボンという脳保護薬を用いた治療が該当し、昨年度の約3割増となっています。
2位、5位となる頭蓋・頭蓋内損傷とは、頭部の外傷です。
頭部の打撲をはじめ、脳振盪、脳挫傷、硬膜下血腫、くも膜下血腫など、「頭をぶつけたことが原因で発症した」疾患です。
手術が必要な患者さんに対しては、緊急手術にも対応しており、硬膜下血腫に対して穿孔洗浄術を行う症例も増加しています。
また、当院は回復期リハビリテーション病棟を併設しており、急性期の治療に続いて、退院に向けたリハビリをしっかりと行うことができます。
婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx01xxxx 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 25 10.60 9.46 0.00% 48.36
120060xx97xxxx 子宮の良性腫瘍 その他の手術あり 24 3.71 4.86 0.00% 41.88
120010xx99x6xx 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 6あり 11 3.18 4.50 0.00% 67.91
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 11 6.55 4.34 0.00% 56.82
120070xx01xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 開腹によるもの等 11 9.73 9.86 0.00% 45.91
婦人科では、子宮筋腫など子宮の良性腫瘍に対する手術入院が上位を占めています。
子宮の良性腫瘍に対するその他の手術には、子宮頸部切除術や子宮動脈塞栓術を行っています。
子宮動脈塞栓術とは、カテーテルという細い管を用いた治療方法です。
開腹手術のように大きな傷をつけないため、術後の回復が早く、当院の在院日数も3.71日と短いです。
足の付け根からカテーテルを挿入し、エックス線透視を行いながら、筋腫へ血液を送っている子宮動脈まで進ませます。
血管塞栓物質を子宮動脈に注入し、筋腫への血流を遮断することで子宮筋腫を縮小させる方法で、放射線IVR科の専門医としっかり連携をとりながら行います。
卵巣癌や子宮頸部癌の手術症例は増加しており、術後化学療法目的の入院症例も多くなっています。
転院率は上位5症例すべてがゼロであり、手術後の化学療法や放射線療法などの治療を、当院で継続して行うことができています。
また、令和3年10月に開設した緩和ケア病棟において、患者さんと患者さんを支えておられるご家族が、貴重な時間をより良く過ごすことができるよう支援しています。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 438 3.10 4.83 0.00% 74.81 両眼白内障手術
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 413 3.39 2.71 0.00% 74.93 片眼白内障手術
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり 片眼 84 8.42 5.41 0.00% 73.11
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 78 13.49 8.48 0.00% 58.82
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 65 8.62 6.14 0.00% 70.29
眼科では白内障の水晶体再建術による症例が両眼と片眼をあわせて、851件と最も多くなっていますが、昨年度より150件以上減少しています。
緑内障の症例数は、昨年度と比較して45件増加し、3位に入っています。
緑内障とは、目から入ってきた情報を脳に伝達する視神経という器官に障害が起こり、視野(見える範囲)が狭くなる病気で、治療が遅れると失明に至ることもあります。視神経の障害は、目の硬さである眼圧が、その人の耐えられる眼圧より上昇することによって引き起こされます。
一度障害を受けた視神経は元には戻らないため、緑内障を完治させることはできません。
当院では、視野の欠損が進行してしまった場合の治療を、ドレーンやインプラントの挿入などを行う手術をしています。
網膜剥離の症例数も、昨年度より21件増加しています。
網膜剥離は、加齢や糖尿病網膜症などの一部の病気、事故などによる頭部や眼球への物理的ショックが原因で、網膜の裂け目(網膜裂孔)が引き起こされます。
網膜にできた裂け目を塞ぐ処置には「光凝固法」があり、瞳孔から網膜の穴にレーザーを照射し、焼き付けます。
すでに網膜剥離が認められる場合には、剥がれた網膜を元の位置に固定する手術には、「硝子体手術」などがあります。
この症例は、事故や労働災害による外傷の患者が多く、平均年齢が低くなっています。
3~5位の疾患群には難治性眼疾患が数多く含まれるため、高度な治療が必要となり平均在院日数は長めになっています。
当院では、手術適応となる紹介患者の受入に力を入れており、また、緊急時の救急にも24時間対応し、愛媛県東予地区の中核病院としても取り組んでいます。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 128 6.02 4.92 0.00% 68.41 前庭機能障害
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり 24 2.00 2.03 0.00% 59.13 睡眠時無呼吸
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし 20 5.00 5.71 5.00% 54.35 扁桃周囲膿瘍
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 18 7.83 6.47 0.00% 58.94
030390xx99xxxx 顔面神経障害 手術なし 18 8.28 9.01 0.00% 64.83 顔面神経障害
前庭機能障害は、昨年度と変わらず上位の症例となっています。
前庭機能障害とは、耳の奥にある平衡感覚をつかさどる前庭が障害を受け、めまいが発症する疾患です。
中年以降によく見られるのが、良性発作性頭位めまい症によるめまいです。
寝返り、布団からの起き上がり、頭の向きの変化などの体位変換時にとくに見られます。
睡眠時無呼吸症候群の症例が、昨年度と比較して増加し、2位に入っています。
睡眠時無呼吸症候群の治療の柱といえる持続陽圧呼吸療法(CPAP)があります。
CPAPは、鼻に装着したマスクから送り込んだ空気の圧力で、空気の通り道を確保する治療です。
患者さんに適した空気圧を設定することで、睡眠中に気道塞がれるのを防ぎ、呼吸がスムーズにできるようになります。
CPAP治療を開始する前に入院し、鼻につけるマスクの調整や患者さんの状態に合わせた空気圧の調整などを行い、退院後、自宅で継続した治療を行い、外来診察にて経過をフォローしていきます。
今回、初めて顔面神経障害の症例が上位5位に入りました。
顔面神経麻痺とは、何らかの原因で顔面神経が麻痺し、片側の顔が動かしにくくなる病気です。
末梢性顔面神経麻痺と診断された場合は、できるだけ早くステロイドを中心とした投薬治療を行うため、入院して治療を行います。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 27 6.41 9.22 0.00% 66.59
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 23 8.22 13.07 0.00% 72.61
070560xx99x00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 14.75 - -
080110xxxxx0xx 水疱症 手術・処置等2 なし - - 29.17 - -
161000x199x0xx 熱傷・化学熱傷・凍傷・電撃傷(Burn Index10未満) 手術なし 手術・処置等2 なし - - 12.25 - -
当院では、帯状疱疹の症例数が最も多くなっています。
帯状疱疹は、加齢やストレス、過労などが引き金となって、ウイルスに対する免疫力が低下すると発症する疾患です。
帯状疱疹は水痘帯状疱疹ウイルスによる感染症で、通常は内服治療を行いますが、免疫能力の低い方やご高齢の方などでは入院で点滴治療を行います。
また、2位の症例群には、蜂窩織炎の件数が昨年度よりも多くなっています。
蜂窩織炎は皮膚の傷から皮下の脂肪組織などに細菌が侵入することによって引き起こされる感染症で、抗生剤の点滴で治療することが一般的です。
症例数は少ないですが、3位に、血液中に好中球(白血球の一種)の増加を伴って急に発症する、隆起性の紅斑を特徴とする病気なども入っています。
5位に、熱傷等の外傷の症例が入ってきています。
工場が多い地域でもあり、労働災害に関係する事故での救急搬送や、紹介患者の緊急時の受け入れにも対応しています。
患者数が10未満の場合には「-」としています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 94 2.67 2.50 0.00% 71.13
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 なし 89 8.19 7.02 0.00% 75.13
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 66 11.21 13.14 0.00% 74.47
110280xx02x00x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 動脈形成術、吻合術 その他の動脈等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 53 8.43 7.87 0.00% 72.43
11012xxx020x0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし 41 6.83 5.56 0.00% 66.32
全体に昨年度の症例数より減少している傾向になっていますが、慢性腎不全にかかる症例数は増加となっています。
慢性腎不全等の症例に動脈形成術、吻合術が増加し、上位5位に含まれました。
慢性腎不全の動脈形成術、吻合術は、シャント造設術が多く施行されています。
これは、透析を行っていくために、透析用の血管を手術で作成します。この血管をシャントといいます。
通常、透析を施行する時には静脈に専用の針を穿刺しますが、普通の静脈の血流では透析を施行するのに十分な血流が得られません。
そこで血流の豊富な動脈から一部血流を静脈に流し、透析を施行できるような静脈血管にすることが目的です。
当院でも、透析患者の増加に伴い、造設術も多くなってきています。
前立腺癌に対しては、ダビンチを用いたロボット支援手術を行い、転移・進行癌に対しては内分泌、放射線、抗癌剤治療などを行っています。
腎尿管結石に対しては、結石の大きさや状態に応じて、体外衝撃波結石破砕術や細径内視鏡下のレーザーを用いた砕石術を行っています
また、婦人科疾患や消化器疾患に伴う尿管狭窄に対して尿管ステント留置による尿路確保を積極的に行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 49 - 23 57 14 34 1 8
大腸癌 - 33 48 49 48 68 1 8
乳癌 36 54 15 - - 31 1 8
肺癌 - - - - - 16 1 8
肝癌 - 11 12 - - 65 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
●指標の説明
5大癌(胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌)で入院された患者数を、初発のUICC病期分類に基づくステージで集計しています。
対象期間中に同一患者さんが複数回入院された場合も、1例としてカウントしています。
UICC病期分類とは、国際対がん連合(Union for International Cancer Control, UICC)によって定められた、癌の大きさや進展度(T)、リンパ節転移(N)、遠隔転移の有無(M)3つの要素によって、0期~Ⅳ期に分類したもので、0期のものは集計対象外としています。
数字が大きいほど「進行している癌」といえます。
入院中に検査結果が判明せず病期分類ができなかった場合は、「不明」に分類しています。
患者数が10未満の場合は、患者さんが特定される可能性があるため「-」で表示しています。

●解説
当院は、質の高いがん治療を提供することができるように、国が指定する地域がん診療連携拠点病院(県内6施設)のひとつとなっています。
PET-CTを導入し、高度ながん診療ができるよう医療機器の充実を図っております。
治療においては、がん化学療法看護認定看護師や、がん専門薬剤師、リハビリセラピストと協力しながらチーム医療で取り組んでいます。
緩和ケアのため、専門的なスタッフによるチームをつくり、腫瘍性疾患によってお悩みの患者さん、 そして患者さんを支えておられるご家族の方に対して、適切な治療や情報を提供し、皆様のお役に立てる活動を目指しています。
昨年度と比較して、胃癌はStageⅢでの発見が9件、StageⅣでの発見が23件と癌が進行している状態での発見が増加しています。
乳癌は、StageⅡでの発見が30件と大幅に増加しています。
乳がん検診等での検査を受ける方が増えてきている結果といえます。
乳癌はⅠ~Ⅱ期の患者さんが多く、乳房温存手術に化学療法や放射線療法を組み合わせた治療が多く行われています。
肝癌については、StageⅡでの増加がみられ、初発の件数は増加していますが、再発の件数は減少しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 42 15.36 79.67
重症 14 26.79 86.64
超重症 - - -
不明 - - -
市中肺炎とは、普段の生活の中で健康状態にある人が感染した肺炎のことです。
成人市中肺炎の重症度は、A-DROPスコアを使用し4段階で分類しています。
A(Age):男性70歳以上、女性75歳以上
D(Dehydration):BUN 21㎎/dL以上または脱水あり
R(Respiration):SpO2 90%以下(PaO2 60Torr以下)
O(Orientation):意識障害あり
P(Pressure):収縮期血圧90mmHg以下
上記の項目ごとに、該当すれば1点を加算し、5点満点で構成される肺炎の重症度分類です。
0点が軽症、1~2点が中等症、3点が重症、4~5点が超重症となります。
肺炎の重症患者さんが14人と増えており、昨年度と比較して増加しています。
細菌性肺炎の患者さんが最も多くなっており、その中では救急搬送された患者さん、紹介を受け受診された患者さんがいます。
中等症でも、細菌性肺炎の患者さんが16名で最も多くなっています。
その中でも救急搬送された患者さん、紹介を受け受診された患者さんがいます。
救急搬送、また紹介患者さんにおける肺炎症例についても、対応しています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 107 30.65 76.49 1.55
その他 22 26.00 75.36 0.78
昨年度と比較して、発症日から3日以内の患者さんの数が28人増加しました。
脳梗塞は、できる限り早期に治療を開始し、脳のダメージを抑えることが大事になります。
当院では、発症から4.5時間以内の急性期脳梗塞に対する治療で、tPAという薬剤を点滴し、脳の血栓を溶かし、再度血液が流れるようにする治療(tPA静注療法)を行っています。
可能な限り24時間体制で脳卒中の患者さんを受け入れ、可及的速やかにtPA静注療法を含む診療を開始できる体制を整えています。
また、急性期病院として手術にも力を注ぐとともに、回復期リハビリテーション病棟があるのも強みです。
急性期治療を行った後も、回復期リハビリテーション病棟にて、普段の生活が送れるようになるまでフォローしています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 418 0.08 1.22 0.00% 67.16
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 77 1.13 14.03 1.30% 80.99
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 60 2.38 5.05 0.00% 72.75 心臓カテーテル治療
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 43 2.00 4.98 0.00% 73.05
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 41 1.51 10.27 0.00% 76.05
内視鏡で大腸ポリープ(直径2センチメートル未満)などを切除する手術が、昨年度と比較して70件増加しており、紹介患者さんの数も増えています。
急性期病院として、地域のクリニックとの連携も強めています。
また昨年度と同様に、虚血性心疾患に対して行う経皮的冠動脈ステント留置術も多くなっています。
当院ではDSA装置を2台稼働しているため、循環器内科領域における冠動脈疾患の診断・治療も強みで、救急対応にも力を入れています。
表には出ていませんが、当院では不整脈に対するカテーテルアブレーション治療も行っています。
心不全や脳梗塞の原因となる心房細動の加療にも力を入れています。
術後は、不整脈外来にてきめ細やかな治療を継続して行っています。    
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 130 1.00 6.30 0.77% 65.01
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 45 1.02 4.76 0.00% 72.33
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 37 1.27 10.38 5.41% 68.76
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 36 0.94 3.08 0.00% 61.42
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 35 3.43 14.00 0.00% 69.86
腹腔鏡下胆嚢摘出術が、昨年度と同様に最も多くなっています。
その昨年度と比較しても、紹介患者さんの数が7人増加しており、手術件数は12件増加しています。
開腹手術と比較して、手術創が小さいため痛みが少なく、手術時間が短いため早期退院が可能であるといった利点があります。
地域がん診療連携拠点病院として、乳がんの治療にも力を入れており、乳腺悪性腫瘍手術乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)も、昨年度と比較して1.85倍増加しています。
また、当院では低侵襲手術支援ロボット「ダビンチ」を導入しています。
外科領域では、直腸癌、胃癌の症例に対して行っており、他院からの紹介についても積極的に受け入れています。    
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術(大腿) 73 4.40 46.44 13.70% 78.59
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 57 2.32 21.53 3.51% 58.49
K0483 骨内異物(挿入物を含む)除去術(前腕) 49 0.49 2.67 0.00% 53.27
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 33 2.52 50.58 0.00% 83.61
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 椎弓形成 29 1.83 20.45 0.00% 67.90
大腿骨骨折に対して行う観血的手術が、昨年度と同様に多くなっています。
約75%は救急搬送された患者さんで、積極的に救急車を受け入れ、二次救急医療機関としての役割を果たしています。
平均術後日数が長くなっているのは、急性期病棟で手術を行った後、回復期リハビリテーション病棟へ転棟し、充実したリハビリを実践してもらっているためです。
手術後は早期にリハビリを開始し、回復期リハビリテーション病棟にて普段の生活が送れるようになるまでフォローしています。
また、頚椎、腰椎といった脊椎の手術にも力を入れています。
約50%が紹介の患者さんで、地域のクリニックなどから紹介を受け、治療を行っています。
地域のクリニックとの連携が充実しているのも強みです。    
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術 眼瞼挙筋前転法 14 0.00 1.00 0.00% 67.36 眼瞼下垂手術
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 12 0.08 6.33 0.00% 82.08
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) - - - - -
K2193 眼瞼下垂症手術 その他のもの - - - - - 眼瞼下垂手術
K427 頬骨骨折観血的整復術 - - - - -
眼瞼下垂症手術が最も多くなっています。
眼瞼下垂症の症例では、クリニカルパスを用いています。
手術を行う症例では患者パスを使うことが多くなっており、眼瞼下垂症の症例でも使用しています。
患者用パスとは、患者さんやご家族が治療方法選択や入退院準備をスムーズに進められるように、わかりやすく記したインフォームド・コンセントのツールです。
入院中のスケジュールが記されており、安心して治療を受けられる、などの利点があります。
2番目に多い皮膚悪性腫瘍切除術については、12人中11人が紹介を受けた患者さんで、地域のクリニックと連携を強めています。
皮膚の腫瘍については、良性、悪性ともに手術を行っています。
他にも、切断指、熱傷などの外傷や床ずれ、糖尿病性壊疽など、多岐にわたる治療、手術を行っています。
患者数が10未満の場合には「-」としています。   
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 28 0.14 11.25 0.00% 79.68
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング(1箇所) - - - - -
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 脳内のもの - - - - -
K1742 水頭症手術 シャント手術 - - - - -
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの - - - - -
頭皮を切開して頭蓋骨に小さな穴をあけ、血腫を取り除き、洗浄とドレナージ(排液)を行う慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術が最も多くなっており、昨年度と比較して11件増加しています。
約50%は救急搬送された患者さんの症例で、時間外の緊急手術も行っており、可能な限り24時間体制で診療を行えるように体制を整えています。
また、脳動脈瘤の根元をクリップで挟むことにより、脳動脈瘤内に血液が入らないようにして破裂を防ぐ脳動脈瘤頸部クリッピングも多く行っています。
くも膜下出血の患者さんに対して行う手術ですが、これも救急搬送された患者さんの割合が高くなっています。
患者数が10未満の場合には「-」としています。    
婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 34 1.71 8.00 0.00% 51.32
K867 子宮頸部(腟部)切除術 13 0.92 1.00 0.00% 37.85
K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) 12 1.00 8.17 0.00% 44.00
K879 子宮悪性腫瘍手術 - - - - -
K8881 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 開腹によるもの - - - - -
昨年度と同様に子宮全摘術が最も多くなっています。
件数としては、5件増で少し増えています。
子宮筋腫や子宮頚癌などの症例に対して行っており、34症例のうち20症例は紹介を受けた患者さんです。
子宮頸部(膣部)切除術が2番目に多くなっていて、これも紹介患者さんの割合が多くなっており、地域のクリニックと連携を図っています。
他にも、地域がん診療連携拠点病院として、婦人科悪性腫瘍の手術も行っています。
また、放射線IVR科と連携し、切らない子宮筋腫治療として保険適応のある子宮動脈塞栓術を行っています。    
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 833 0.02 2.06 0.00% 74.85 片眼白内障手術
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 223 0.06 9.51 0.00% 65.58 硝子体手術
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 50 0.28 8.78 0.00% 74.18 硝子体手術
K2684 緑内障手術 緑内障治療用インプラント挿入術(プレートのないもの) 33 0.00 12.64 0.00% 74.58
K224 翼状片手術(弁の移植を要するもの) 23 0.00 1.00 0.00% 76.35 翼状片手術
愛媛県東予地区の中核病院として、県内でもトップクラスの手術件数となっています。
白内障に対する水晶体再建術が最も多く、紹介を受けた患者さんの割合が高くなっており、当院では、2泊3日の入院治療を行っています。
硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む)が昨年度と比較して34件増加しています。
網膜剥離や黄斑円孔、糖尿病性網膜症や硝子体出血などに対して行う手術ですが、こちらも紹介を受けた患者さんが多くなっています。
手術適応となる患者さんを地域のクリニックなどから積極的に受け入れています。
また、緑内障手術緑内障治療用インプラント挿入術(プレートのないもの)について、昨年度と比較して14件増加しており、約1.7倍になっています。緑内障の治療にも力を入れています。   
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術III型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 13 0.85 7.08 0.00% 62.00
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 10 1.00 7.00 0.00% 21.50
K3932 喉頭腫瘍摘出術 直達鏡によるもの - - - - -
K344 経鼻腔的翼突管神経切除術 - - - - -
K340-4 内視鏡下鼻・副鼻腔手術2型(副鼻腔単洞手術) - - - - -
慢性副鼻腔炎などに対して行う内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)が最も多くなっており、昨年度と比較して7件増加しています。
紹介患者さんの数が増えており、要因の一つです。
他にも慢性扁桃炎に対する口蓋扁桃の摘出手術や、口腔内から直達鏡を用いて喉頭を観察しながら病変の切除を行う、喉頭腫瘍摘出術も実施しています。
患者数が10未満の場合には「-」としています。    
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 97 1.03 7.90 0.00% 75.13
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 50 3.80 8.52 0.00% 78.40
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 48 0.96 4.40 0.00% 72.60 内シャント造設術
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 39 1.79 4.23 0.00% 66.31
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 35 2.00 12.34 0.00% 68.89
膀胱癌に対する内視鏡手術である経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)が、昨年度と同様に最も多くなっています。
尿道から手術用内視鏡を挿入し、病巣部を電気メスで切除する手術です。
経尿道的尿路結石除去術も多く実施しています。
内視鏡を挿入し、結石を確認しながらレーザーで砕石・除去する方法です。
また、前立腺癌に対するロボット支援手術「ダビンチ」にも力を入れており、積極的に行っています。
数カ所の小さな切開部から手術を行うため患者さんの負担が少なく、精密な動きを再現できるなどの特長があります。
ダビンチについては前立腺癌の他に、腎腫瘍、腎盂尿管移行部狭窄症の症例についても行っています。    
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 19 0.25%
異なる 10 0.13%
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 25 0.33%
異なる - -
播種性血管内凝固症候群(DIC)、敗血症など重篤な合併症や、手術・術後の合併症の発生率を示します。
入院契機と「同一」とは、その病気を治療目的として入院した症例を示します。
入院契機と「異なる」とは、本来は別の傷病に対する入院であったにも関わらず、この合併症に対する治療が最も行われた症例を示します。
播種性血管内凝固症候群とは、小さな血栓が全身の血管のあちこちにできて、細い血管を詰まらせる病気です。
血液凝固が増加することで出血の抑制に必要な血小板と凝固因子を使い果たしてしまい、過度の出血を引き起こします。
敗血症とは、何らかの細菌やウイルスに感染することによって全身にさまざまな影響がおよび、心臓、肺など体の重要な臓器の機能が障害(臓器不全)される病気のことです。
昨年度と比較して、敗血症で入院し、同一傷病名の治療を行った症例は増加していますが、別の傷病名で入院し、敗血症の治療を行った症例は減少しています。
手術・処置等の合併症で入院し、同一傷病名の治療を行った症例は、透析シャント閉塞や術後創部感染などがあります。
透析シャント閉塞とは、効率的な血液透析を行うために作られる血管である内シャントが、動脈圧や穿刺のストレスなどによって狭窄・閉塞することを言います。
起こり得る合併症の可能性については、事前に患者さんに説明した上で、手術や処置の施行に同意をいただくようにしています。
患者数が10未満の場合には「-」としています。  
更新履歴
2022年9月30日
公開