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放射線部

核医学検査(RI検査)

『ガンマカメラ キヤノンメディカル Symbia E』

核医学検査とは?

 放射性医薬品(放射性同位元素を含んだ薬)を注射(1~3ml)や飲用(カプセル)することで、 目的の臓器、部位に取り込まれ集積します。その薬剤から放出される放射線(γ,X線)をガンマカメラ (シンチカメラ)と呼ばれる装置で検出収集し、画像化およびデータ解析する検査です。

核医学検査の特徴

 CT、MRIのような形態画像ではなく、血液の流れ、臓器や組織の機能代謝等を画像化およびデータ解析できることが特徴で、 診断、治療方針決定に有用な情報を提供しています。

(全般)検査内容

 ほとんどの検査は、ベット上で5~60分程度、寝ているだけの検査です。ただし、注射後、すぐに撮像する検査と、注射後、数分後、数時間後、2、3日後または、7日後に撮像する検査もあります。検査部位により撮像回数、検査時間は異なりますので、予約時にスタッフが説明致します。

検査を受ける時の注意点

 検査内容により、前処置、注意事項(検査を正確に実施するために必要な決まり事)があります。詳細は予約時にスタッフが説明致します。
 尚、妊娠している方、可能性のある方、授乳中の方は原則として検査は行いません。事前にお申し出下さい。

身体への影響

 検査で受ける放射線の量は、胸やお腹のX線写真撮影、CT検査と同等かそれ以下の線量(実効線量で0.2~60mSv程度)ですので、放射線の影響は心配ありません。 体内に入った薬も排尿や排便により体外へ出てしまい、体内に残ることはなく、薬自体も時間が経つにつれて減少していきます。 また、周辺の人への影響もありません。特に、小児患者に対しては、学会ガイドラインに沿った適切投与量にて検査を実施しており、 安心して検査を受けてもらえます。
 副作用においても、検査10万件あたり2.5件と報告されています。



 当院では、核医学専門技師が在籍しており、安全で質の高い核医学検査を実施しています。 質問等がございましたら、遠慮なくスタッフにお申し出下さい。



骨シンチグラフィー

 核医学検査で最も多く行われる検査です。骨病変の存在を鋭敏に検出できる検査のひとつで、 特徴として1回の検査で全身骨を検索できます。対象疾患として、腫瘍、炎症、骨折、 代謝性骨疾患などがあげられます。 99mTc-HMDP(骨に集まる製剤)を740MBq注射し、その後、3時間以降に撮像します。 検査時間は約30分です。


正常例


脳血流シンチグラフィー

 頭部(脳組織)の血流量や血流分布を検査します。対象疾患として、 脳血管障害、変性疾患(認知症)、脳血管予備能評価などがあげられます。 123I-IMP(脳組織に集まる製剤)を148MBqまたは、 99mTc-ECD(脳組織に集まる製剤)を400MBqを注射し、注射直後と15分後の2回撮像します。 1回目は3分、2回目は20分程度の検査時間です。 最近では、変性疾患におけるZ-score解析(標準脳と比較し、 関心領域の血流低下部位をスコア化する)が増加しており診断精度向上に寄与しています。



負荷心筋シンチグラフィー

 心筋の血流分布を画像化できる検査です。 心臓の冠動脈血流量に比例して放射性医薬品が心筋に集積することを利用して、 心臓に負荷を掛けた状態(全力で走った時の様な感じ)と安静時の状態を比較し、心筋虚血の診断を行います。 対象疾患として、虚血性心疾患、心筋梗塞、心筋症、心筋生存能評価などがあげられます。 201TlCl(主に血流豊富な臓器に集まる製剤 心臓の場合は心筋)を111MBqを注射し、 15後と3.5時間後の2回撮像します。1回の撮像時間は約20分です。






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